ビキニ環礁シンジケート

書くことが楽しい

アクセス数とやさしさと

 なんか他の人気ブログとかを読んでたら、やれアフィリエイト収入だの、PV数を一ヶ月で○○増やすだの、欝とともに生きてゆく、みたいな、そんなのがメインストリームになってるっぽくて、もちろんそういうブログが悪いとは言わないし、ぜひブログで稼いで欲しいし、欝とともに生きていって欲しいなって思うんだけど、なんだろ、俺があまりそっち方面に興味がないからなのか、だんだん高校の副教科の授業を受けてる時みたいな気分なってきて、結局やめてしまった。

 でもまあもちろん人気ブログだけあって読みやすいし、為になることもたくさんあって「アクセス数を稼ぐには検索流入を増やそう」とか「タイトルだけでアクセス数は一桁変わる」みたいな、なるほどなるほど、つって何気なく自分の検索流入数を見てみたら0%だった。そんなことあるんだ。このブログもそれこそ更新した日には50人くらいの人たちが見に来てくれるようになってて、ほんとにありがたいなって感じなんだけど、検索流入数が0%なら、ここ、限界集落じゃん。読者って外部から切り離されて、なおその村に残ってる独居老人たちだけじゃん。

 しかもタイトルの付け方もさー、こないだタイトルのオンカロの意味がわかりませんでした、って言われて、オンカロっていうのはフィンランドにある核燃料の最終廃棄場所の名前なんですよー、っつーやり取りをしたんだけどさ、そもそもその記事でオンカロの話出てないし、これって最悪じゃない? むしろ検索流入させてる側じゃん。うちの検索流入数-1件なんだけど。

 別になんだろ、アクセス数とかさほど気にしてないし、アフィリエイトとかしてないしさ、そりゃ何も労力をかけなくても良いんなら、見てくれる人が多いに越したことはないだろうけど、そんな気張ってねぇ、って感じだし。じゃあせめてタイトルくらいちゃんとわかりやすくしろよってもんなんだけど、急にさ、ほら、そういう狙ったタイトルにしたら「あ、馴染んだ」って思われんじゃん。癪。すげー癪だわ。そんなこと思われるくらいなら、いや俺アクセス数とかそんなの興味ないンで、こちとらプライド持って限界集落やってんスよ、みたいに嘘と保身で塗り固めていきたい。硬い硬い殻に閉じ籠って、その中で真珠みたいなのをぽこぽこ産み出すだけが良い。

 だからもうね、決めたんだけど、アクセス数アップ的なテクニック? 全部教えるわ。や、全然大丈夫大丈夫。俺ほんとそういうの自分は興味ないし、てかあれ、むしろ嫌いだから。アレルギーあんだよねアクセス数に。もともとここは愛を語る場所だしそれは今も変わらないし、好きな人と付き合った瞬間にウルフルズの『バンザイ』を全文載せて閉鎖するつもりだったから。だからこの記事を見てる人だけに、俺が今まで思い付いたアクセス数アップのリアルを教える。他で書いてるような「毎日更新しよう!」とか「新しい情報にアンテナを張ろう!」みたいなめんどくさいことなんか一つもせずにアクセス数を伸ばすやり方。

 まずね、みんな告知用のSNSとか持ってると思うんだけど、更新してないのに「更新しました!」って自分のブログの適当なURLつけて言っちゃおっか。定期的に。これ、嘘、ってやり方です。嘘って知ってます? あとこれは女の子しか使えないんですけど「ブログのコメントで『ブラジャーのサイズ合ってなくない?』とか言われて恥ずかしくて泣いてる」とか呟いとけば、フォロワーの男×過去記事数のアクセス数が稼げんじゃないかな。男はみんな血眼になって"ない画像"を探すだろうし。え? ダメ? 嘘をつくのはダメなんだ? へえ、政治家はみんな嘘をつくのにね。(いきなり話題を政治にすり替えることで罪の矛先を逸らせる高等テクニック)

 じゃあ、良いです、まだ別のもあるので。ブログはまあ適当に更新してもらって、はい、中身は適当で大丈夫です。みんなが読みたくなるような記事って何なのかっつーと、為になるとか読みやすいとかそんなんじゃないんだよね。結局評価されたり話題になってる記事なんですよ。いやいやいや、それおかしいじゃん、評価されたり話題になってる記事は為になったり面白い記事でしょ、みたいな声が聞こえてくるけど、つまりそのイメージを利用したら良いわけ。

 なんだろ「ネコが寝込んだ」みたいなダジャレを書いた記事を更新した後、ツイッターとかで更新しましたーって報告するじゃんか。その後にツイート検索で「なるほどこれすごいわ RT」とか「笑い過ぎて死ぬ」「今までで一番好き」「意味が分かって鳥肌立った」みたいなのを検索して片っ端からリツイートして行くんですよ。その後に「ブログ続けててよかった」とか呟くと、フォロワーからするともう、え、なになに? どんな記事書いたの? ってことになるわけです。え? いや、はい。嘘はついてないんですけど。普通に更新して、気になるツイートをリツイートして、それとは別にブログを続けててよかったことがあっただけなんですが。

 あとはあれですね、目についた人全員にリプライで「前略 ご無沙汰しておます。この度皆様にお力添えいただき、ついにブログを更新することができました。一度目を通していただけましたら幸甚に存じます」みたいな挨拶を送ると良いかもしんないね。やっぱり礼儀っつーのはかなり大切だから。

 ここまでしたらアクセス数四桁くらいは軽くいってるだろうし、もう最後はタイトルの付け方なんだけど、これはもう好きに自分の願望を書いて、最後に「〜するためのライフハック術 10選」とでもつけとけば絶対に損はしない。「お腹いっぱい唐揚げを食べてそのまま温泉に入って昼過ぎまで寝るためのライフハック術 10選」とか「今すぐ上司を殴りつけて1億円欲しい人のためのライフハック術 10選」みたいなことを書いとけば、そんなのしたくない人居るわけないんだから、みんな読みに来るでしょ。俺なんて一回読みに行って違う内容書かれてたら、あれ? なんか変なページに飛んじゃった? って確認のためにもっかい入り直すよ。この場合アクセス数2ですからね。

 どう? こうやって色々教えたので、もうみんな今すぐ実践したくてうずうずしてると思うんだけどちょっと待って欲しい。今から大事なことを言うから。結局ブログにとって一番大切なのはなんなのかっつーと、文章が読みやすいかどうかなんです。ちなみにふざけてたところからいきなりマトモなことを言うと信憑性が増すっていう、これも高等テクニックのひとつです。

 じゃあ読みやすい文章ってなんだっつーと、シンプルな構成、一文の長さが適切、難しい熟語や専門用語を使わない、みたいな、まあ色々あると思うんだけど、その基準も人それぞれだし、わかりにくい文章を書いてる人は自分がわかりにくい文章を書いてるなんてこれっぽっちも思ってないわけで、そんな風に悩める子羊のためにぴったりのソフトというかアプリがね、あるんすよ。えっ? なになに? 良いって良いって。全然俺こういうノウハウとかをシェアするの、抵抗とかないタイプだし。ただみんなに喜んで欲しいだけだから、さ?

 まあ、それが日本語の苦手な外国人にも理解してもらえる日本語を書けるようにっつーコンセプトの「やんしす」なんだけど、これなにかっつーと、YAsashii Nihongo SIen Systemって名前からも分かる通り、日本語初学者の外国人向けの文章、つまり難しい言葉や表現を指摘してくれるソフトなんです。ちなみにAndroid用のアプリもあります。

 もともと弘前大学が、日本在住の外国人が防災案内とか緊急速報の日本語が理解できない時、たとえば「緊急時はこちらの扉をお使い下さい」みたいなのって理解できるわけないし、したら逃げらんないじゃん。そんな事態を避けるために作られた補助ソフトなんだけど、ま、これ使っとけば、読みにくい文章を書けるはずもないじゃん? 

 まー待って待って。さすがに馬鹿にし過ぎ、みたいな気持ちはこっちもよくわかる。でもこれすっげー楽しいから。違う。為になるから。騙されたと思って使ってみて欲しいんだけど、こう、語彙力の必要性を実感できてドキドキする。なんだろ、自分が日本に来て二年目の黒人になった、みたいな感じになんの。すごくない? 記憶を消さずに自分がセネガル人の留学生だって思い込めるんだよ? 試しに今から「やんしす」がこれなら日本語が下手な外国人でも理解できると認定してくれた文章でブログを書くから。「できるリーダーはやって見せる」ってなんか、人気ブログに書かれてたし。

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 まず「やんしす」を使う上で一番難しいのは言葉の長さです。三十字くらいになると二つにしてと言います。あとは「〜される」のような形で受けたりできません。外国人には難しいからです。こうしていると難しい言葉が多くて驚きます。自分が外国人になったようです。いつもより楽しいです。今から好きな人への気持ちを書きます。

 好きです。毎日好きです。顔が可愛くて心も良いです。一緒にいると楽しくて、今は風邪をひいています。だから心配しています。彼女の変わったはなし方が好きです。特に目が可愛いです。写真をくれないところがだめです。心をほめたいのに言葉がないです。すごくあたたかい人です。優しくはないです。でも言葉が少ないから優しいも入れます。風邪は大丈夫ですか。行きましょうか。早くこっちに帰ってきてください。

 ね。結果的に騙されたわけだけど、今どんな気分かな? あの、いやほんと、こっちもそんなつもり全然なくて。びっくりした。俺、こんなに向いてないの紹介しようとしたんだ、って。まあ、なんだ、こんな感じで、ブログを書くにはマジで向いてないんだけど、知り合いに日本語を勉強中の人が居るとか、彼氏がカタコトの日本語フェチです、みたいな人は、よかったらこの「やんしす」を使ってみてください。俺には一円も入らないんだけど。